2018年改訂版たて込み簡易土留め設計施工指針の発刊について

本書は、「たて込み簡易土留め工法」の安定に関する設計計算および安全に施工するための施工方法などについての技術的基準を検討するため、

昭和62年に「たて込み簡易土留め設計施工指針」として官民の識者による委員会などによる検討を経て発刊されたものを改訂したものです。

本工法は、旧指針の発刊以来30年を経過して、下水道などの公共工事に必要不可欠な工法として活用され、

その安全性および効率性が高く評価されてきました。

その間、時代の要請もあって、旧指針の内容のみでは機材の安全性や施工方法を十分に評価したり判断したりできない設計事例が増え、

様々な用途において本工法を安全に使用するための技術基準を示さなければならなくなってきたことや、

公共工事における技術基準の改訂などが行われたこともあって、本指針を新たに再整理する必要が生じてきました。

今回の改訂は、旧指針の発刊以降に公となった関連する技術基準や指針などの文献情報を取り入れるとともに、

本工法が上下水道のみならず多様な開削工事に使用されてきていることを考慮し、特殊用途の設計施工についても新たに追加してあります。

設計に関しては、旧指針において設計手法と本工法の特徴的な構造や施工方法との整合性に欠ける部分や、

種々の定義などの曖昧な部分についてもできる限り明快にすることで、設計をするうえでの疑義が生じないように再整理しました。

また、施工については、標準的な施工方法や施工手順を具体的に示し、安全に施工ができるよう配慮しました。

本改訂が、たて込み簡易土留めの設計施工法の理解と本工法を採用する際の一助となれば幸いです。

本指針の改訂には、早稲田大学理工学部小泉淳教授の監修のもと、官民の識者の皆様のご協力を仰いでおります。

末筆ながら感謝の意を表します。


2018年6月
たて込み簡易土留協会

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